気田川の鮎のお話

 日本一きれいな川とも称されることがある気田川は、鮎釣りの名所として近隣だけでなく全国各地からの鮎師が目指してくる清流です。

 

 最近は鮎釣りだけでなく、キャンプ、カヌー、ラフティング、サイクリング、ボルダリングなど山間の豊かな自然を感じながら楽しむアウトドアレジャーのメッカとしても人気が高まっています。

さかな工房気田川のこだわり

こだわり1 海産系

 海産系の鮎にこだわっています。

 鮎は川魚として有名ですが、本来はサケのように海に流れてからもう一度生まれ故郷の皮の上流まで上がってきます。

 私たちの使う鮎は誰がどこでどう仕入れてどう養殖された鮎なのかわかるところから原料である鮎を仕入れています。信用できる養殖業者が海産の鮎をこだわった飼育方法で育ててくれている。その鮎は製品にすると圧倒的に違います。

 

こだわり2 手焼き

 一本一本手焼きでこだわって使っています。

 加工品として作る時に自信を持ってお客様に提案することができます。”ホンモノ”と自身の目で見て言えられるものだけを使って囲炉裏で焼いて、甘露煮8時間もかけて中身も海産系の鮎だけを使って生産している。DNAで解析ができる商品として出せます。

 

こだわり3 囲炉裏

 焼き鮎を作るための専用の部屋があります。

 囲炉裏でマキを焼べながら5時間遠火で焼き枯らします。焼き方も鮎には原則があり右面、左面、腹面とそれぞれどこがどう熱の伝導率が良いのか、なども実際に研究してたどり着きました。焼き枯らしは”仕込み”であって、栄養素と旨み成分アミノ酸が凝縮された後に味付けをする甘露煮は最高です。

 

こだわり4 原材料

 鮎に関わり続けて随分長い年月が経ちました。

 人工孵化、養殖、放流、加工など鮎に関わるものすべてを経験して今は鮎の加工と放流をメインにしています。甘露煮も無添加の調味料を使って地元の生醤油で作ります。入っているものすべてをお客様に伝えることができなければ売れません。


工房主からのメッセージ

 鮎はさまざまな側面を持つ魅力的な魚です。

調理方法も様々あり、うまみの成分も高く多くの人に好まれます。

 鮎に関わる生活がもっと身近に感じられる。

 そうやって鮎に人が集まると素敵です。

 

代表 岩本英夫


しあわせな瞬間

こだわりの海産鮎もこの辺地域では養殖する業者が減っています。人工孵化が主流になりつつあります。生態系の維持ということでは天然の稚魚を乱獲することはよくないと思いますが、次の世代につないでいくための養殖はまた必要であり、大切な仕事です。そうやって想いの込もった鮎を放流したり、加工して人に喜ばれる瞬間はなんとも言えない喜びがあります。

 

楽しみ方

鮎には通称で呼ばれる名前が幾つかあります。川辺でスイカの香りがすると鮎が居ると言われるところからか「香魚」とも呼ばれ、一年で一生を終えるところから「年魚」とも呼ばれ。その実態は綺麗な水を好み、自分の縄張り争いのために激しい戦いをする一面もある魚です。鮎は頭からお腹まですべておいしく食べて鮎の一生をいただいて欲しいです。

 

想い・キッカケ・望み

もともとは天竜の漁業組合で働いていました。鮎に関する仕事内容も多く鮎とのふれあいは多くありました。退職して鮎の友釣りでよく使われるおとりアユの販売と放流などに関わり、鮮度のいい鮎を加工して食卓に並べられたらいいなと感じて鮎の加工を始めました。イベント出店では塩焼きを焼いています。

 

熱意・メッセージ

今の生活習慣と昔の生活習慣とでは多く変わっています。川で遊んでいる子供たちの光景もあまり見えなくなりました。私からは自然豊かな環境の中でしっかり遊ぶということの楽しさとワクワクを伝えたいです。子供心に刻まれた自然や川、魚とのふれあいが大人になっても戻りたい風景として刻まれていくことに幸せを感じます。